Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
」
と男爵はまた鋭い質問を続けて塩野を見た。
「違いますね。一度フランスの専門家に、写したものを選んでみて貰ったことがありましたが、これが良いと云って抜き出してくれたものは、どれも向うで苦心をして撮ったものじゃないんですよ。日本でもいつでも撮れるものばかし抜いてくれるので、何んのために自分はフランスまで来たんだろうと、しばらく僕も苦しみました。」
若い塩野はその当時の苦しみを今もなお続けているらしく彼には珍らしい暗い表情になってうつ向いた。
「いや、それは画家もそう云いますよ。フランスへ行くと、却って良い画が描けなくなると云ってた人がありましたよ。」
「人間もそうかもしれないぞ。」
と由吉はパイプにきざみを詰め詰め云った。みなどっと笑い出した。
その波立ちが、急に一同の表情の上に逆な明るさを与えて一層それから活き活きと談が弾むのだった。
「わたしも十六のときから二十六のときまでロンドンにおりましたが、どうも外国を知らぬ先代の方が、わたしより豪いようです。皆さん方はどうですか。」
久木男爵のそう云って見廻す顔の中から、音楽家の遊部が、
「それはやはり、僕もそのようだなア。