Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

Leggi 日日平安 (にちにちへいあん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.297 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

十郎太は頷いた。菅田平野は倒れている男を引起こして肩に担いだ。さして大きな躯ではなかったが、気絶しているのでひどく重い。文治と十郎太は二人を追いたてながら、かれらは馬草小屋へ戻った。そうして、すぐにその三人も手足を縛り、猿轡を噛ませたが、残っているのは正門の二人だということが(こいその証言で)わかったので、十郎太と菅田平野を除いた他の五人が、すぐに小屋から出ていった。

五人が出てゆくと、十郎太は提灯を持って千鳥のそばへいった。千鳥は乾し草の束に腰をかけ、こいそに凭れて泣いていた。

「さあ話してごらん、どうして逃げだしたんだ」

十郎太が云った。千鳥は涙を拭きながら十郎太を見た。十郎太はそこへかがんだ。千鳥は事情を語りだした、彼女は十七歳という年よりも子供っぽくみえる、背丈も高いし躯も成熟しているが、眼鼻だちのおおらかなまる顔や、のびやかな身ごなしや、あまえたような言葉つきなどに、あどけないといいたいくらいな、ういういしさが匂っていた。

「えっ、伯母上が自害、――」

十郎太が叫んだ。その仰天したような声を聞いて、菅田平野が振向いた。

「ええ、いいえ」と千鳥が云った、「――そうするはずだったんです、母が自害をして見張りの二人が騒ぐ隙に、わたくしが逃げだす約束だったんです、それがわたくしがまごまごしたものですから、