Classici giapponesi con furigana
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いっすんぼうし
日本の古典童話
楠山 正雄
Leggi 日本の古典童話 (いっすんぼうし) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.747 caratteri · 50 schermate
一本のわら
一
むかし、大和国に貧乏な若者がありました。一人ぼっちで、ふた親も妻も子供もない上に、使ってくれる主人もまだありませんでした。若者はだんだん心細くなったものですから、これは観音さまにお願いをする外はないと思って、長谷寺という大きなお寺のお堂におこもりをしました。
「こうしておりましては、このままあなたのお前でかつえ死にに死んでしまうかも知れません。あなたのお力でどうにかなるものでしたら、どうぞ夢ででもお教え下さいまし。その夢を見ないうちは、死ぬまでここにこうしておこもりをしておりますから。」
こういって、その男は観音さまの前につっ伏しました。それなり幾日たっても動こうとはしませんでした。
するとお寺の坊さんがそれを見て、
「あの若者は毎日つっ伏したきり、物も食べずにいる様子だが、あのまま置いてかつえ死にに死なれでもしたら、お寺の汚れになる。」
とぶつぶつ口小言をいいながら、そばへ寄って来て、
「お前はだれに使われている者だ。いったいどこで物を食べるのか。」
と聞きました。若者はとろんとした目を少しあけて、
「どうしまして、わたしのような運の悪い者は使ってくれる人もありません。