Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate

Aozora Bunko

そして、あまり遠くへゆかぬようにしてそこらを少しの間ぶらぶらしているところへ、こちらに立って、見ていると細い坂道を往来の人に交ってやって来るのは、まぎれもない彼女である。それは、去年の五月以来八、九カ月見なかった容姿である。だんだん近くなってくると、向うでもこちらを認めたと思われて、にっこりしている。銀杏返しに結った頭髪を撫でもせず、黒い衿巻をして、お召の半コートを着ている下の方にお召の前掛けなどをしているのが見えて、不断のままである。

「私をよく覚えていたねえ」と、笑うと、

「そら覚えていますさ」

「今そこで宿をきめたのだ。知っているだろう、すぐそこのあの家。あそこが早く気がつくと、すぐあそこへ来てもらうんだった。まあ、いい、入ろう」そういって、私は先に立って、そこの茶亭に入った。

そして、庭の外はすぐ東山裾の深い竹林につづいている奥まった離室に通って、二、三の食べる物などを命じてしばらく話していた。

「こんな物が出来てえ」と甘えるような鼻声になって、しきりに顔の小さい面皰のようなものを気にしている。

「私、ちょっと肥りましたやろ」

「うむ、ええ血色だ。達者で何より結構だ。