Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
それがために母親はいうまでもなく自分までも、今日ではこの世に楽しみというものが少しもなくなったくらいに力を落している。叔父叔母といっても、いずれも母方の親類で、しかも母親とは腹の異った兄弟ばかり。父親の親類というのはどこにもなく、生命の綱とも杖とも柱とも頼んでいた弟に死なれてからは本当の母ひとり娘ひとりのたよりない境涯であった。彼女は、ほかのことはあまり言わなかったが、弟のことばかりは腹から忘れられないと思われて、懐かしそうによく話して聞かせた。私は、そんな身の上を聴くと、すぐさま自分の思いやりの性癖から「天の網島」の小春が「私ひとりを頼みの母さん、南辺に賃仕事して裏家住み。死んだあとでは袖乞非人の餓え死にをなされようかと、それのみ悲しさ」とかこち嘆くところを思い合わせて、いとさらにその女が可憐な者に思えたのであった。
もとは父親の生きている時分から上京の方に住んでいたが、廊に奉公するようになって母親も一緒に近いところに越してきて、祇園町の片ほとりの路次裏に侘しい住いをしていた。そこへ訪ねていって初めて母親に会った。そして後々のことまで話した。彼女はこんな女にどうしてあんな鶴のような娘が出来たかと思われる、むくつけな婆さんであったが、それでも話の様子には根からの廊者でない質朴のところがあって、