Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
と訊ねると向うの婢衆は、
「ほんならちょっと待ってくれやす」といって、しばらくして今度は変った、すこし年をとった女の声で、
「藤村さんは、もう内にいやはりゃしまへんのどっせ」という。
「どうしていなくなったの。だれかお客さんに引かされたの?」
「さあ、わたし、そんなこと、どや、よう知りまへんけど、病気でもうとうに引かはりました」
「そして、病気で廃めて、藤村さんのおかあさんが連れて去ったの?」
「ちがいます。小父さんが来て連れていかはりました」
小父さんが来て連れて往った。どんな小父さんか知れたものじゃないと思ったが、それ以上、電話でそんな婢衆などに訊いても委しいことの知られようわけもなく、また真実のことをいって明かすはずもないと思って、私はそれで電話を切ってしまった。そして、仮ににしても……※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)にちがいないと思うが……病気で廃めたというだけのことに、せめて幾らか頼みの綱が繋がっているような気がして、それだけに心に少し勢いがついて、宿にとって返し、夜の寒さに風邪を恐れながら、思いきって厚着になり、また祇園町へと出かけていった。