Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
私は、お宮を見上げ見下していった。
「うむ。僕は、あんなお召や何かあんな物を着たのよりも、こんな風をした方が好きだ。……君は好い着物を持ってるねえ」
柳沢がよくいいそうなことをいった。
「そう。これがそんなにあなたに気に入って?」お宮は乳のまわりを見廻しながらそういって、柳沢の方を見守りつつ、
「あなたも今日は大変好い着物を着てるねえ。……今日はあの絣を着て来なかったの。あれが私大好き。活溌で。……だけどその着物も好い着物だわ。こんど拵えたの?」
「うむ。いいだろう」柳沢も自分の胸のあたりを見まわして、気持ちよさそうに言った。
「私もこんど好い春着を拵えたわ。……もう出来て来たわねえ」
お宮はも一人の小女をちょっと誘うように見ていった。
「どんな着物だい?」私は黙っていた口を開いた。
「どんなって、ちょっと言えないねえ。羽織は縮緬の紋付、着物は上下揃った、やっぱりお召さ」
そこへ誂えた寿司が来た。
「君たちも食べないか」私は女どもにすすめながら摘んだ。柳沢はもう黙って口に押し込んでいた。
「食べようねえ」お宮はも一人の女に合図して食べた。
柳沢は口をもぐもぐさせながら指先の汚れたのを何で拭こうかと迷っていた。