Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate

Aozora Bunko

十二月の初旬のころでところどころ薄陽の射している陰気な空から、ちらりちらり雪花が落ちて来た。それでも私は両手に重い物を下げているので、じっとり肌に汗をかきながら道を急いで、寂れた街道を通りぬけて、茶圃の間を横切ったり、藪垣の脇を通ったりして、遠くから見えていた、山裾の小山の部落まで来て、そこから中の人家について訊ねたが、そういう心当りはどこにもなかった。それでもなお諦めないで、そこからまた引き返して、ほとんど、山科の部落という部落を、ちらちら粉雪の降っているにもかかわらず私は身体中汗になって、脚が棒のようになるまで探ね廻ったが、もとより住所番地姓名を明細に知っているわけでもないので、ついにどこにもそんな心当りはなく、在所の村々が暗くなりかけたからしかたなく、断念して、失望しながら帰路についた。

あとで小村という男に会ってそのことを話すと、彼は「一人往ったのでは、とても分らん」といっていたが、母親が近いうちにまたその話で来ることになっているから来てくれというので、少しは好い話をするかと思って、楽しんでその日に往くと、母親の調子はこの前会った時より一層険悪になって、こちらが、女に未練があるので、どこまでも下手に優しくして物をいうと、彼女は、理詰めになって来ると、しまいには私に向ってさんざんぱら悪態を吐いた。