Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
そちらからならば俥が通うかも知れぬといって教えてくれた。
大河原ということは、今度の場合に限らずこれまでもたびたび母親の口から聞いているので、そんな人間が実存するなら大河原にちがいはなかろうと思ったが、あの連中の言うことには、どんな虚構があるかも知れぬ。もしや、その隣村ではあるまいかと思案して、ここまで乗りかかったついでに、どこまでも追究せずにはいられない気がするので、私はそこまで探ね入って行く決心をした。南山城の相楽郡といえばほとんど山ばかりの村である。そこに峙っている鷲峰山は標高はようやく三千尺に過ぎないが、巉岩絶壁をもって削り立っているので、昔、役の小角が開創したといわれている近畿の霊場の一つである。その麓を繞って、ほとんど外界と交通を絶ったような別天地が開けているのである。
私はこの寒空にそこまで入って行くことの容易ならぬことを思って、幾度か躊躇して、長い太息を吐いたが、女がもしその深い山の中に行っているとしたら、自分もそこまで入ってゆかねば会うことも見ることも出来ぬのであると思うと、それを中止するのも何だか心残りである。そう思って、大河原駅からまた笠置、加茂と三つ手前の駅まで引き返して戻った。