Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate

Aozora Bunko

私は、多年情海の波瀾を凌いで来た、海に千年山に千年ともいうべき、その女主人と差し向いに坐っていると、何だか、あまりに子供じみた馬鹿らしいことをいい出すのが気恥かしいようで、妙に自分ながら硬くなって口ごもっていると、そこへ外から今帰ったらしい若い妓が一人出てきて、

「ただ今」といいながら長火鉢の傍に寄った。

女主人はそっちを向いて、

「おかえりやす」と返事しながら何か二言三言話していたが、また私の方を見て、

「あんたはん、この妓を知っといやすやろ」という。

私はちょっと思い出せないので小頸を傾けながら、その妓の顔をまじまじと見ていると、向うではよく知っていると思われて、

「よう知っています」といいながら、私の顔を見て笑っている。十八、九ばかりの小柄な妓であるが口元などの可愛い、優しい容姿をしている。女主人も笑いながら、

「なあ、よう知ってやすはずどすがな」といって、私の顔を見ている。

私はこんな美しい妓に知っていられる覚えがないというよっに、なおもしきりに頭を傾けていると、女主人が、

「お園さんと一緒にようあんたはんに招ばれて往かはりましたがな、若奴さんどすがな」