Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
夏の夜更けの、外は露気を含んで冷や冷やと好い肌触りだけれど部屋の中は締め込んでいるのでむうっと寝臭い蚊帳の臭いに混ってお前臭いにおいが、夜道に歩き疲れた私の肉体を浸すようにそこらに籠もっていた。私は何とも言いがたいそのにおいの懐かしさにそのまま蚊帳の裾をはねて寝床に転げ込むと、初めの内はやさしく私を忍ばせたお前が何と思ったか寝床に横たわりながら
「あなたあっちいってお休みなさい。別にあなたの蚊帳を吊ってあげますから……ここは私の寝るところです」
と、神経の亢進ったようにはねつけた。
「いんにゃ、ここでいい、もう怠儀だ」
「怠儀だって、それはあなたの勝手じゃありませんか。あなたはもうここを出て去った人です。一旦切れてしまえば、あなたと私とはもう赤の他人ですから、どこか他へ宿を取るなり、友達のところに行くなり、よそへいって泊って下さい」
「…………」
「ねえ、そうして下さい。ここは私の家です、あなたの家じゃありません。こうしていて明日老母さんに何といいます。あなた私の家の者を馬鹿にしているんだからそんなことは何とも思わないでしょうが、私が翌朝お老母さんに対して言いようがないじゃありませんか。