Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
「あの、お電話どっせ」という。
私は、跳ね上がったような気がしながら、すぐさま立って電話のところへ下りていった。
「ああ、もしもし私」と声をかけると、向うでも、
「ああ、もしもし」と呼ぶ声がする。何という懐かしい、久しぶりに聴く女の声であろう。振り顧って考えると、それは去年の五月から八、九カ月の間も聴かなかった声である。手紙こそ月の中に十幾度となく往復しているが、去年の五月からと言えば顔の記憶も朧ろになるくらいである。
「ああ、わたし。電報を読んだの?」
「ええ、今読んだとこどす」
「よく、家にいたねえ。こちらは分っているだろう」
「よう分っています」
「それじゃすぐおいで」
「ええ、いても、よろしいけど、そこの人知っとる人多うおすさかい。私顔がさすといけまへんよって。あんたはん、今日そこからどこへおいでやすのどす」
「どこへ、とは? 泊るところ?」
「ええ、そうどす」
「それは、まだ定めてない。あんたに一遍逢ってからでもいいと思って」
それから、ともかくそんなら東山の方のとある、小隠れた料理屋で一応逢ってからのことにしよう。二時から三時までの間に両方でそこまで行って待ち合わすことにして互いに電話を切ろうとすると、女は念を押すように、