Classici giapponesi con furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Leggi 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.935 caratteri · 73 schermate
晒しでもねえ、木綿の官品のズボンじゃねえか。第一、今時、腰弁だって、黒の深ゴムを履きゃしねえよ。そりゃ刑務所出来の靴さ。それからな、お前さんは、番頭さんにゃ見えねえよ。金張りの素通しの眼鏡なんか、留置場でエンコの連中をおどかすだけの向だよ。今時、番頭さんだって、どうして、皆度のある眼鏡で、ロイド縁だよ。おいらあ、一月娑婆に居りあ、お前さんなんかが、十年暮してるよりか、もっと、世間に通じちまうんだからね。何てったって、化けるのは俺の方が本職だよ。尻尾なんかブラ下げて歩きゃしねえからな。駄目だよ。そんなに俺の後ろ頭ばかり見てたって。ホラ、二人で何か相談してる。ヘッ、そんなに鼻ばかりピクピクさせる事あないよ。いけねえ。こんなことを考える時ゃ碌な事あねえんだ。サテ」
「下り、下の関行うううき。下り、下の関行うううき」
駅手が朗かな声で、三等待合室を鳴り渡らせた。待合室はざわめき始めた。
ニョキニョキと人々は立ち上った。
彼は瞬間、ベンチの凭れ越しに振りかえった。誰も、彼を覘ってはいなかった。それと思われるのが二人、入口の処でゾロゾロ改札口の方へ動いて行く、群集を眼で拾っていた。