Classici giapponesi con furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Leggi 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.771 caratteri · 313 schermate
今に於ては戦を始むるの外思案に及ばずとありけるを聞て、遠藤喜右衛門然るべく覚え候。兎角する内に、横山の城中の者も後詰なきを恨み降参して敵へ加はるまじきにもあらず、信長当方へ打入りしより以来、心のまゝに働かせ候ふこと余りに云甲斐なし、早く御陣替然るべし。思召の如く替へおほせて、二十九日敵陣へ無二無三に切入り給はんには、味方の勝利疑ひ有るべからず。仮令ば敵方にて此方の色を察し出向はゞ、その処にて合戦すべし、何のこはきことが候ふべき。喜右衛門に於ては必定信長を撃捕るか討死仕るか二つの道を出で候ふまじと思定め候、早早御出陣然るべしと申すにより、久政も此程遠藤が申すことを一度も用ひずして宜敷事無りしかば、此度許りは喜右衛門尉が申す旨に同心ありて、然らば朝倉殿には織田と遠州勢と二手の内何方へ向はせ給ふべきかと申せしにより、孫三郎何れへなり共罷向ひ申すべくとありしかば、長政いや/\某が当の敵は信長なり、依て某信長に向ひ候ふべし。朝倉殿には遠州勢を防ぎ給はり候ふべしと定めて陣替の仕度をぞ急がれける。遠藤喜右衛門尉は、兼て軍のあらん時敵陣へ紛れ入り、信長を窺ひ撃たんと思ひしかば、朋輩の勇士に談らひ合せけるは、面々明日の軍に打込の軍せんと思ふべからず、偏に敵陣へ忍び入らんことを心掛くべし。