Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8286 caratteri · 16 schermate
「はい、ついせんじつそういうご内談はございました、ですけれどまだわたくしは未熟者でございますから」
つつましく眼は伏せたけれど、そっと微笑する唇もとには確信の色があった。
「允可がさがったら歌会でも催すかな」
そう云って直輝は立った。隠居所へゆくと母のかな女は古い小切を集めてなにかはぎ縫いをしていた。
「母上ただいま登城をつかまつります」
「ご苦労でございます」
かな女はめがねをとり、会釈をかえしてから見送るために座を立った。
家扶、家士たちと共に、直輝を玄関に見送ったかな女は、嫁と廊下をもどりながらその顔色のすぐれないことに眼をとめた。加代は良人に問われたよりも心ぐるしそうに、
「つい夜更かしをいたしまして」
と低いこえで答えた。
「そういえば、あなたのお部屋の窓にいつまでもあかしがうつっているので、お消し忘れではないかと思いました」
そう云ってかな女はふと嫁の眼を見た。
「それで歌はおできになりましたの」
「……はい」
加代はどきっとした。夜更かしをしたといえば歌を詠んでいたということはすぐにわかる筈ではあるが、その時は妙にふいをつかれた感じだった。
「しばらくあなたのお歌を拝見しませんからご近作といっしょに、持って来て拝見させて下さらないか」