Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.649 caratteri · 27 schermate
四
それでは自分のしてきたことは無意味だったのか、あれだけの努力は妹たちにとってなんの価値でもなかったのか、
「そしてお姉さまは年をとって、やがて小さなおばあさまになってしまうのね」
小松はそう云った。ああ、と弥生はいま呻くように溜息をつく、こうして苦しい日を送り、苦しい日を迎えて自分の一生が経ってしまう、ほんとうにこれでいいのだろうか、これで生き甲斐があるのだろうか、そう思っては暗い絶望的な気持におそわれるのだった。
四
芒の穂はかなしくほおけ、萩の花は散りつくした。朝な夕なはひどく凍てて、水仕事をしたあと、手指の赤く腫れる季節となった。弥生はその頃から家の中の道具をあれこれと少しずつ動かしてみた、箪笥を脇のほうへ移したり、鏡台と机とを置き替えたり、常には使わない対立屏風を出してみたり、ちょっと馳走のあるときは客膳を用いたりした、そうするとたしかに家の中があたらしくみえ気持も動くように思える、「まるでよその家へいったようですね」九歳になる与一郎はそんなことを云って、珍らしそうに部屋の中を見てまわったりした。それから弥生はしばしば着物や帯をとり替えて着た、ずいぶん思いきって、ごく薄く化粧もしはじめた。