Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.649 caratteri · 27 schermate
「部屋のもよう替えも気分が変っていいが、やっぱり道具にはそれぞれ据えどころがあるものだな、私にはこのほうがおちついてよい、眼さきの変るのはその時だけのことだし、なんとなくざわざわしくていけない」
「少しは住みごこちもおよろしかろうと思ったものですから」
「家常茶飯は平凡なほどよいものだ、余りそんなことに頭を疲らせないがいい」
試みたことは詰まるところなにものも齎しては呉れなかった。冷える朝の厨で水を使いながら、またひょうひょうと風の渡る夜半、凍える指さきを暖め暖め縫い物をしながら、弥生は再び生き甲斐ということを思いはじめた。――これが自分の生活なのだろうか、こうして自分の生涯は経っていってしまうのだ、同じ着物を縫ったり解いたりしながら、ものみ遊山もせず、美味に飽くことなく、ひたすら良人に仕え子を育て、その月その年の乏しい家計をいかに繰りまわすかということで身も心も疲らせて、やがて空しく老いしぼんでしまう、「これでいいのだろうか」弥生はぞっとするような気持でそう呟く、「こういうしはてのない困難の克服になにか意味があるだろうか、もっとほんとうに生き甲斐のある生活がほかにあるのではないかしらん」