Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.649 caratteri · 27 schermate
「きょうは時刻を限られていますから」
小松は間もなく坐り直し、下婢に持たせて来た包みをひき寄せた、
「やまどりを持ってまいりましたの、お小遣いが少のうございましたからほんのかたちだけのお土産よ」
そう云って包みを解きにかかった。
そのとき門ぐちに人のおとずれる声がした。出ていってみると、勘定奉行の岡田庄兵衛という老人だった。
「おいでか」
といつもの柔和の調子で訊いた。良人は非番で家にいる日だったが、昼食をするとすぐ川のほうを歩いて来ると云って、与一郎をつれて出かけたあとだった。
「それでは間もなく帰るな」
老人はちょっと考えるようすだったが、
「やっぱり待たせて貰おうか」
そう云って気がるに奥へとおった。……部屋へ戻ると小松は帰りじたくをしていた、
「お客さまはどなた」
「お役所の岡田さまよ」
そう答えながら弥生は茶の用意をした。小松は岡田と聞いてああという表情をした、
「やっぱり、いらしったわね」
「やっぱりって、あなたなにか知っておいでなの」
「あのはなしですわ、きっと」
小松はそっと声をひそめた、
「いつかのお役替えのこと、お義兄さまはお腰が重いから、せんじつ百樹がじかに岡田さまに会ってご相談したのですって、きっとそれでいらしったに違いありませんわ、ねえお姉さまこんどこそお義兄さまにひとふんぱつして頂くのね、そして