Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.412 caratteri · 25 schermate
二
。父は彼に秘蔵の短刀を与え、その明くる朝はやく、五人の家士と下僕の一人をつれて立っていった。
二
父のしゅったつを見送ってからすぐのことだった。学塾へゆくしたくをしていると、
「今日からは貞造をつれずにお独りで塾へいらっしゃるのですよ」と思いがけないことを叔母に云われた、弁之助はびっくりして叔母を見あげた、「どうしてですか」
「それは和助がお父上のお供をしていったからです」由利はそう説明した、「これからは貞造ひとりで屋敷の事を色いろしなければなりませんし、あなたはもう七歳におなりだから供をつれなくともおかよいなされる筈です」
「でもそれでは軽い者の子のようにみられるでしょう」
「なぜです、みられてもいいでしょう、身分の高さ低さで人間のねうちがきまりはしません、そんなことを云うのは思いあがりというものですよ」
まるでとりつくしまのない調子だった。弁之助は逃げるように屋敷を出たが、塀を曲ったところでそっと涙を押しぬぐった。
勝山藩は小笠原流の礼式をもって世に知られているとおり規式作法のやかましいところで、家臣たちの身分や格式もよそよりは厳しく、しかるべき武士の子は男でも供をつれるのがその時代のならわしだった。