Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.409 caratteri · 23 schermate
難関に当ることはできないのだ、もっともっと、あるだけの弱さ、あるだけの脆さをだしきってしまえ、骨の髄まですはだかになるのだ。
みずから自分を突きのめし、鞭うつような気持だった、それはたたかいであった、靱負之助がさがってから半刻あまりの時間ではあったけれど、その短い時間のうちに真名女のたたかいがあったのだ。どこかでひそやかな、さむざむとしたもの音がしていた、雨のようでもあり遠い潮鳴りのようでもある、かなりまえから耳についていたのが、しだいにはっきりしてきたと思うと、やがてそれは館の庭にある竹叢に風のわたる音だということがわかった、氏長が大和のくにから、はるばるとりよせた箆竹というもので、植えてから十年ほどにもなる、ひろくて長い優美な葉をつけ、雨にも風にもよきふぜいを添えるし、また矢を作るのに適していたから、殖えるにしたがって城中のそこかしこに植え移してあった。その竹叢にいま夜風がわたっているのだ、そしてそのさやさやと鳴るかすかな葉ずれの音をそれと聞きとめ、あああの竹だったかと思い当ったとき、真名女はふと、いつかしら自分の胸が軽くなっているのに気づいた。