Classici giapponesi con furigana
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
Leggi 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 208.277 caratteri · 415 schermate
百済観音においては、その衣文は意味の上で衣を示しているが、しかし衣の直観的性質は全然表現せられていない。あの下半身の鋭き垂直線は、ただ木において刻み出される以外には、いかなる衣においても認め得られるものでない。しかるに月光天が身にまとうのは、内に包む肉体の微かな凹凸からも影響を受けずにいられぬような柔らかい織物である。四天王が身にまとうのは恐らく獣皮によって作られたらしい武具であって、干せる皮の堅さ、体に合わせて作るための力強い撓げ方、その皮を固く緊着せる帯の織物としての柔らかさなどが、実に細かく表現せられている。特にその肩の扣金のごとき、皮と細き金属とで作られたことが塑土によって遺憾なく現わされている。この相違はその肉体について同様に認められる。百済観音の手は実に美しい手である。しかしそれが美しいのはその輪郭が我々の胸を打つように美しく走るからであって人の肉の手の美しさを表現しているがゆえではない。あの輪郭の鋭さや堅さは人の肉に属するものとは言えない。もとよりそれは人の手を意味する形である。しかし人の手の直観的な性質は捨て去られている。それに反して月光天の左手はいかに肉の手として美しいであろう。