Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 25.679 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

三月十五日

三月十六日

「ユニークなソールではなし。」

○モヤーのお灸はじまり

三月十五日(月曜)

仕事がすむと、雑誌などよむ。一寸はよし、然し、雑誌というもの、何と killing time として役立つだけのものだろう。沢山よむと徒につかれる。

下らない、しかし書きようは知って居る小説の多いこと! これが半年あと、それどころか! 二十日後には紙くずのようになる。恐ろしいことだ。

いつも、遠い、大きい、揺がぬ一点を見つめて行かないと、現代はすぐ生存の足をすくう。一旦掬われたら、おだぶつ。新進作家の小器用さ、鋭さ、しかし規模の小ささ。自分の掬われて居る足許に心づかぬことが最大原因だ。

三月十六日(火曜)寒

Y、二階から下りて来。

「家はいいね――うちは」

という。ほら! だから云うのだ。

◎とし子をかえす。三十円やる。

◎国男来。この頃彼の性格かわり、ひどくしまつやで、実際家で、よいあととり的になった。よしわるし。然しうまく生きては行くであろうからよしよし。

◎「ビュビュ・ドゥ・モンパルナッス」、ベルトという淫売婦、モオリスという情夫――女喰い、ピエールという小役人。全く、フィリップはこのような題材を、モウパッサンでも、ゾラでも、ドストイェフスキーでもなく扱って居る。