Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はえ

日輪 春は馬車に乗って 他八篇

横光 利一

Leggi 日輪 春は馬車に乗って 他八篇 (はえ) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6478 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

「そうれ見よ。お前はさっきから窓ばかり眺めていたのだ。」と教師に睨まれた。

二度目の時は習字の時間である。その時の吉の草紙の上には、字が一字も見あたらないで、宮の前の高麗狗の顔にも似ていれば、また人間の顔にも似つかわしい三つの顔が書いてあった。そのどの顔も、笑いを浮かばせようと骨折った大きな口の曲線が、幾度も書き直されてあるために、真っ黒くなっていた。

三度目の時は学校の退けるときで、皆の学童が包を仕上げて礼をしてから出ようとすると、教師は吉を呼び止めた。そして、もう一度礼をし直せと叱った。

家へ走り帰ると直ぐ吉は、鏡台の抽出から油紙に包んだ剃刀を取り出して人目につかない小屋の中でそれを研いだ。研ぎ終ると軒へ廻って、積み上げてある割木を眺めていた。それからまた庭に這入って、餅搗き用の杵を撫でてみた。が、またぶらぶら流し元まで戻って来ると俎を裏返してみたが急に彼は井戸傍の跳ね釣瓶の下へ駆け出した。

「これは甘いぞ、甘いぞ。」

そういいながら吉は釣瓶の尻の重りに縛り付けられた欅の丸太を取りはずして、その代わり石を縛り付けた。

暫くして吉は、その丸太を三、四寸も厚味のある幅広い長方形のものにしてから、それと一緒に鉛筆と剃刀とを持って屋根裏へ昇っていった。