Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

おじいさんはやっとこみたいなものをもっている。怖いから眼をつぶったら、ガクリと音がして揺いていた歯がぬけた。ポコンと穴があいて、血がいくらでも出る。口もゆすがせないで、きたない手でおじいさんは白い粉の薬りをつけてくれた。残りを小袋に入れて渡して、血がとまらなかったらつけろといった。お代が弐銭だというので、なんぼなんでも安くってびっくりした。蔵前の長井兵助の家は、店で歯磨きや楊子を売っていて、大きな長い刀が飾ってあった。ヤッと掛声してすぐに抜いた。代は五銭の時と十銭の時があった。浅草公園でお馴染だから、大概長井兵助へゆくのだが、お友達におしえられてこの汚いおじいさんの家へいってしまった。

花火の晩といえば、ある年、丁度花火の盛りな時刻に光りものが通った。二升もはいる大薬缶ほどの、鈍く光ったものが、地の上二、三尺の高さで、プカリプカリと流れていった。アンポンタンの家の小さい女中は、裏の方にある厠から出たとき、すぐそばをスーッと流れていったのでキャッと声をたてた。祖母は金玉だといった。金盥か鍋でふせなければだめなのだといった。都会の夏の夜でさえ無気味なものが、人里はなれた原っぱなんぞでぶつかったらどんなだろう。