Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

旧聞日本橋

古屋島という名は昔の武者にでもありそうだし、明治維新後の顕官の姓名にもありそうだが、七兵衛さんというと大変心安だてにきこえる。葱を売りにくる人にも、肥とろやさんにも、薪屋さんにもありそうな名だ。この名を覚えているのは、あたしの家の書生さんだったから――というより、道十郎めっかちを思いださせる顔だったからだ。

道十郎めっかちというのは、キシャゴの遊びで、つぶの大きなキシャゴを二つもって、上からふると、片っぽひっくりかえって、貝殻の背でない方を出す、それが道十郎めっかちで、なんのためにそういう名がついているのか知らない。それとも江戸から続いて有名な役者市川団十郎の代々が、大きな眼玉で通っているので、片っぽひっくりかえって団十郎めっかちが転化したものかどうか、それとも他に由縁があるのか知らない。

それはどうでも好いとして、古屋島氏の顔に、汚ないキシャゴの道十郎めっかちがついているのだった。おまけにそれがばかに大きい。濁って、ポカンと開いた黄色い中に、眼球が輝きもなく一ぱいに据って動かずにいる。盤台面で、色が黄ばんだ白さで、鼻が妙に大きい。ザンギリで、下を向いていて、ヘエ、サヨサヨという時だけ眼球を上にあげる。