Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7120 caratteri · 15 schermate
勝川のおばさんという名がアンポンタンに記憶された。顔の印象は浅黒く、長かった。それが木魚の顔のおじいさんのたった一人の妹だときいても、別段心もひかれなかった。ただ平べったいチンチクリンのおじいさんに、長茄子のような妹があるのかなと思った位だった。
しかし彼女は小意気だった、その時分の扮装が黒っぽかったので、背のたかい細面の女を、感じから黒茄子にしてしまったが、五十を越しても水極だっていた。
幾年かすぎて、ふとその女がはじめて来た日の言葉を思いだした。
「お滝さんにも久しぶりで逢えて――」
自分の姪の家へきて、にもなんて変なことをいう――子供の心は単純で、かげりをもった言語の深いあやを知らない。およそ、木魚のおじいさんの一族で、あんなに客として歓待されたものはないのにと、無視された母のためにアンポンタンは軽い義憤をもった。
だが、勝川のおばさんの生立をきくと無理はなかった。彼女としては、女中同様に追廻して使った姪に、さんの字をつけてよぶだけでさえ小癪にさわる――そうした気風の彼女だった。深川佐賀町の廻船問屋石川屋佐兵衛の妻女――なれのはてではあったが、とにかく代言人長谷川氏の家を訪れてきたのだ。