Classici giapponesi con furigana
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プラットフォーム
昇降場
広津 柳浪
Leggi 昇降場 (プラットフォーム) di 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4774 caratteri · 10 schermate
そぼうな扮装の、髪はぼうぼうと脂気の無い、その癖、眉の美しい、悧発そうな眼付の、何処にも憎い処の無い人でした。それに生れて辛っと五月ばかしの赤子さんを、懐裏に確と抱締めて御居でなのでした。此様女の人は、多勢の中ですもの、幾人もあったでしょうが、其赤さんを懐いて御居での方が、妙に私の心を動かしたのでした。
『美子さん、早く入ッしゃいよ。あら、はぐれるわ。』
若子さんに呼ばれて、私ははッと思って、若子さんの方へ行こうとすると、二人の間を先刻の学生に隔てられて居るのでした。
『あらッ若子さん。』
『美子さん、此処よ。』
若子さんが白い美しい手を、私の方へお伸しでしたから、私も其手につかまって、二人一緒に抱合う様にして、辛と放れないで待合室の傍まで行ったのでした。此処も一杯で、私達は迚も這入れそうもありませんでした。
『若子さん、大層な人ですこと。貴女の御兄さんが御着きなさっても、御目に掛れるでしょうか知ら。』
『私何したッても、何様酷い目に会っても、兄さんに御目に掛ってよ。』
『私もそうよ。久振りで御目に掛るんですもの。』
『あらいやだ。』
若子さんは頓興に大きな声で、斯うお云いでしたから、何かと思うと、また学生がつい其処に立って居るのでした。