Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.372 caratteri · 67 schermate
「そうだ。いま、出なくッちゃア」
一足出おくれると死んでしまう。一同はにわかに喜兵衛の身にせまる危険をさとって、思わず立ち上りかける。と、コマ五郎がとびだしてきて、
「静かに! 静かに!」
老師を押しとめ、一同を制し、
「旦那は出おくれるようなお方ではなく、足腰は二十の火消人足と同じぐらい確かなんで、火にまかれて死ぬようなドジをふむお方ではございません。特に本日は特別の行事、私なんぞが、とやかく指図に出ちゃアいけないと心得て、今か、今か、と待っていましたが、今もって旦那が出てこないのは、出られないのじゃなくて、出ない覚悟ときまっています。旦那は、こうして死ぬつもりだったんだ。もう、私らがジタバタしても仕様がないから、皆さん、どうか旦那が心おきなく成仏なさるように念仏をとなえて下さいませ」
「このズクニューめ。坊主の言うようなことを言ってやがる。こんな時には坊主はそうは言わないものだ」
と、小さな老師はシワだらけの顔をくもらせて呟くと、にわかにダビ所の扉に向って階段を駈けのぼった。逃げるときのタドタドしい足どりとは打って変った素早さ。
「危い!」
コマ五郎が後を追う。