Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.951 caratteri · 51 schermate
「船長室で何をしたの?」
「それがオレには分らない。別に話声もきこえないし、シカとききとれた音もねえや。どうもな。まさか、人を殺しているとは知らねえや」
清松は何となく言葉を濁した様子であったが、キンの反問が今度は鋭かった。
「人を殺した音がきこえなかったというの? 板一枚でさえぎられた隣室じゃないか」
「分らない時は分らねえやな。しかし、まさかお前の部屋へはいったのが幽霊じゃアないだろう。どうにもオレには分らねえ」
「もうよしねえよ」
さえぎったのは五十嵐であった。
「そんな話をしたって際限もねえや。大和と今村を待っていても仕方がねえや。オレは一足先に帰るぜ。今日はバカバカしい一日だったな」
と、彼は立って帰ってしまった。残った四人はいかにすべきか相談していたが、これも一と先ず立帰ることにきまった様子。そのとき新十郎はガラリと障子をあけて、
「皆さん、ちょッとお待ち下さい。私はこういう者ですが、明日のお午ごろ、もう一度ここへ集って下さいませんか。今度は私の司会で犯人探しをやろうという趣向ですが」
一度はこの伏兵に慌てたらしいが、みんな聞かれて名探偵に開き直られては仕方がない。