Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.970 caratteri · 48 schermate
風来坊の咲子を憎んだり、さげすんだりしていることはないのである。咲子はそれを有り難くは思うが、どうも、打ちとけられない。母、姉という肉親感はもつことができなかった。
正司と咲子は恋愛結婚であッた。明治には珍しい話で、おまけに咲子は小さな牛肉屋の娘である。女中が手不足で、自分で客に給仕するような小さな店だ。
まだ当時大学生の正司と何も知らずに恋仲になり、あんまり飛びはなれた大富豪の子供と分って、これではとても結婚はできないと思った。正司の親や親類が許してくれる筈がないからである。当時としては、完全に有りうべからざる事情だからだ。ところが、案外にも、正司の母は反対しなかった。そして正司の卒業と同時に、二人は結婚した。時に正司は二十二、咲子は十八。咲子は浅虫家の若奥様となったが、それは去年のこと。まる一年たった近ごろになって、咲子ははじめて浅虫家の秘密が分った。スギ子未亡人が咲子の結婚に反対しなかったも道理、浅虫家は良家と縁組みできかねるような陰惨な血があったのである。万引ぐらいは、まだしも呪われた血の中では軽い方の口であった。
咲子は一也という弟の大学生が嫌いであった。