Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.970 caratteri · 48 schermate
女中たちは、花田医師は未亡人の情夫で、野草通作は長兄博司が洋行前に孕ませた女の父だと思っている様子であった。毎月一度月末に勘定とりのような正確さで来るので、そう思うのだろう。博司には、たしかに恋人がいたのである。博司は別れがたいその恋人すらも振りすてて、故国をはなれたのだという、その悲しい話は正司が時々咲子に語ることであった。
咲子は正司にきいた。
「野草さんて、どういう方?」
こうきかれて、正司はイマイマしげに、顔をそむけたが、
「彼奴は以前、うちの下男をしていた奴さ。何かボロもうけして成りあがったらしい。あんな奴には挨拶にも及ばないぜ」
と答えた。
今にして、咲子は思い当るのだ。野草も、亡父の癩病、発狂、自殺、を知る人物なのである、と。医師一人で始末のつく事件ではなかった筈だ。誰かしら、召使いの中にも、それを知り、その後始末に立働いた人物が居るのは当然であろう。野草もユスっているのである。毎月、必ず月末に来ることでも、それを知ることができる。
当時、癩病は、伝染病ではなくて、血筋であると思われていたから、咲子の思いは、当然良人も癩病の筋をひき、自分に生れてくる子供も癩病の血をひくものと信ぜざるを得なかった。