Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.242 caratteri · 65 schermate
しかし、天鬼は、ふと気がついた。あまりにも真に迫っている。甚八のような威勢のよい職人に志呂足のヘナヘナの術がかかるものではなかろう。
「ハテナ」
天鬼はいぶかしんで、そッと横へまわり、ウドンの汁が手につかないように注意して、甚八の襟をつかんで、顔をのぞきこんだ。
「オッ! これは幽的や病気でもないかも知れんぞ。口から血を吐いているぞ。ひょッとすると、毒をのんだのかも知れねえ。入間玄斎先生をよんでこい!」
報せによって離れから駈けつけた玄斎は甚八の顔をジッと見て、マブタの裏をかえしてみたが、
「どうやら毒らしいね。まず、吐かせなくちゃいけないが、梅酸をドンブリかドビンに一パイぐらい持ってきてもらいたいね」
しかし、手おくれであった。梅酸をのんで吐く力もなく、甚八は死んでしまったのである。
東京から出張してきた医師によって、甚八の毒殺は確定した。甚八が毒をもられたとすれば千代が持参したお茶のほかにはないようだ。そのお茶をいれたのも千代である。大きなトビンに番茶をいれ、熱湯をさして、さらに火にかけ、うんと渋茶に煮たてた上に、それがこの家のいれ方であるが、若干の塩を入れてだすのである。