Classici giapponesi con furigana
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しゅんせつ
春雪
久生 十蘭
Leggi 春雪 (しゅんせつ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.672 caratteri · 23 schermate
なんだろうと、好きだったら結婚するがよかろう。のみならず、さっきもいったように、あの二人は、話はおろか、指先にさえ触っていないんだ。このみじめな敗戦のさ中に、そういう結婚があったら、美しかろうと思ったのさ」
柚子の日記帳の「晴」というのは、その日、ロバートに逢えたというメモなのだろう。曇後晴というのは、長い間待ったあとで、ようやく顔を見た日の記録である。
そのころの柚子の生活は、晴と雨のほか、なにものも容れる余地のないほど、充足した日々だったらしい。上澄みどころか、人生という盃から、柚子は滓も淀みも、みな飲みほし、幸福な感情に包まれて死んだことがわかり、心に秘密を持っている娘というものは、どれほど忍耐強く、また、どれほど機略に富むものか、つくづくと思い知らされた。
池田は、むずかしい顔を崩さずにいった。
「これだけ鮮かにやられれば、腹もたたないよ。それで、結婚式は、どんなふうだったんだ」
「形材のエレクトロンで、指輪を二つこしらえて、病院へ行った。ハンプ君の仲介で指輪を交換して、その指輪を柚子さんにやった」
「それは、どうもご苦労さま。たいへんだったでしょう」