Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
その闘いは金谷宿佗住居の段で、兵助が返り討ちに逢うところであるらしくみえた。非情の人形にも仇同士の魂がおのずと籠ったのであろうか。余りの不思議に気を奪われながらも、紋作は夢のように浄瑠璃を低く唄い出した。
※(歌記号、1-3-28)さしもに猛き兵助が、切れども突けどもひるまぬ悪党、前後左右に斬りむすぶ、数カ所の疵にながるる血潮、やいばを杖によろぼいながら、ええ口惜しや――。
兵助の人形は文句通りに斬り立てられて、勝ち誇った敵は嵩にかかって斬り込んできた。舞台の上の約束はともかくも、ここでは自分の人形を返り討ちにさせたくないので、紋作はわれを忘れて廊下へ駈け出して、手に持っている煙管をふり上げて仇の人形を力まかせに打ち据えると、水右衛門は額の真向をゆがませてばったり倒れた。兵助の人形も疲れたように同じく倒れてしまった。
この物音に眼をさました冠蔵は、自分のとなりに紋作の寝ていないのを怪しんで、これも蚊帳をくぐって出てみると、紋作は煙管をにぎって果し眼で突っ立っていた。その足もとには水右衛門の人形がころげていた。
「おい、紋作。どうした」
紋作は夢から醒めたように、自分の今みた人形の不思議な話をしたが、冠蔵は信用しなかった。