Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
「どうも済まねえ。なにしろ、この通り繍眼児のおしくらだからね」と、定吉は鼻で笑いながら云った。
この挨拶の仕方が面白くないのと、故意に自分を強く蹴ったように思われたのと、冠蔵に対する不快を今までこらえていた八つあたりとで、紋作は素直に承知しなかった。
「こみ合っているならこみ合っているように、気をつけて通れ、むやみに人を蹴飛ばす奴があるものか。楽屋に馬を飼って置きゃあしねえ」
「馬とはなんだ。手前こそ馬と鹿とがつるみ合っていることを知らねえか」
相手も喧嘩腰であるので、紋作はいよいよ堪忍がならなかった。ふた言三言いい合って、かれは煙管をとって起ち上がろうとするのを、そばにいる者どもに押えられた。
「ほんまの三段目や」
ひとりが云ったので、みんなも笑った。定吉は兎欠脣を食いしめながら、紋作を憎さげに睨んで出て行った。
稽古の終った頃には冬の日はもう暮れ切っていた。紋七は冠蔵になんと話したか知らないが、稽古が済んでから紋作を誘って、三人づれで池の端の小料理屋へゆくことになった。紋七はここで二人を和解させようという下ごころであった。酒のあいだに彼はうまく二人を扱ったので、冠蔵もしまいには機嫌よく笑い出した。