Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
「お草紙をどうするんですよ」
「どうしてもいい、用があるから見せろと云うんだ」と、半七は少し声をあらくした。「強情を張っていると、おれが行って取ってくる」
草履をぬいで台所から上がろうとすると、お豊はさえぎるように起ちあがった。
「おまえさん。人の家へむやみにはいって来て、どうするんですよ」
半七はつかつかと茶の間へ踏み込んで、団扇のとなりに懸けてある一冊の清書草紙を手に取った。
「今聞いていれば、うちの子供のお草紙だと云ったな。嘘つき阿魔め。ここの家にどんな子がいる。猫の子一匹もいねえじゃあねえか。六十幾つになるつんぼの婆さんとおめえの二人っきりだということは近所で訊いて知っているぞ。第一この草紙の表紙になんと書いてある。庚戌、正月、なお……このなおというのはだれの名だ。世間におなじ名はあっても、ここでこの草紙を見つけた以上は云い抜けはさせねえ。甲州屋のむすめの手習い草紙がどうしてここに懸けてあるんだ。仔細をいえ。わけを云え」
お豊は唖のように突っ立っていると、半七は片手に草紙を持ちながら、かた手で彼女の腕をつかんだ。
「婆はどこへ行った」
「近所へ買物に出ました」