Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
かれは道具屋の惣八という男で、掛物や色紙短冊も多年取りあつかっている商売上の関係から、ここの家の門を度々くぐっているのであった。其月は机の上にうずたかく積んである俳諧の巻をすこし片寄せながら微笑んだ。
「惣八さんのお願いでは、また何か掘り出しものの売り込みかね。おまえさんの物はこのごろどうも筋が悪いといって、どこでも評判がよくないようだぜ」
「ところが、これは大丈夫、正銘まがいなしの折紙付きという代物です。宗匠、まあ御覧ください」
風呂敷をあけて勿体らしく取り出したのは、芭蕉の「枯枝に烏のとまりけり秋の暮」の短冊であった。それが真物でないことは其月にもひと目で判った。もう一つは其角の筆で「十五から酒飲みそめて今日の月」の短冊で、これには其月もすこし首をかたむけたが、やはり疑わしい点が多かった。其月は無言で二枚の短冊を惣八のまえに押し戻すと、その顔つきで大抵察したらしく、惣八は失望したように云った。
「いけませんかえ」
「はは、大抵こんなことだろうと思った。承知していながら、押っかぶせようというのだから罪が深い」と、其月は取り合わないように笑っていた。
「どっかへ御世話は願えないでしょうか」