Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
町内の者もことごとく吟味をうけたが、誰もこの雪達磨を作ったと白状する者はなかった。かれらの申し立てによると、この雪達磨は三日の夜のうちに何者にか作られたのであるが、前にもいう通り、雪が降れば誰かの手に依って必ず一つや二つの雪達磨は作られるのであるから、この大きい雪達磨が一夜のうちに出現したのをみても、誰も別に怪しむものもなかった。おおかた町内の誰かが拵えたのであろうぐらいに思って、なんの注意も払わずに幾日をすごしたのであった。殊にこの近所には武家屋敷が多いので、それは町人がこしらえたのか、武家の若い者どもが作ったのか、それすらも確かには判らなかった。
勿論これほどの雪達磨が自然に湧き出してくる筈はない。必ずその製作者はどこにか潜んでいるには相違ないのであるが、こうなっては誰も名乗って出るものもない。なにかの手がかりを見付け出すために、達磨は無残に突きくずされて其の形骸は滅茶苦茶に破壊されてしまったが、男の死骸以外にはなんの新らしい発見もないらしかった。くずれた雪はその証跡を堙滅せんとするかのように次第々々に消え失せて、いたずらに泥水となって流れ去った。