Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
かれは詮議がだんだんに厳しくなって来たのを覚って、どこへか高飛びをする積りであるらしい。飛んだところで思いも寄らない拾い物をしたのを喜んだ手先どもは、すぐにばらばらと駈けて行って、彼のうつむいている頭の上に御用の声を浴びせかけると、松蔵は今や穿こうとしていた片足の草鞋を早速の眼つぶしに投げつけて、腰をかけていた床几を蹴返して起った。それと同時に、かれの利腕を取ろうとした一人の手先はあっと云って倒れた。松蔵はふところに呑んでいた短刀をぬいて、相手の横鬢を斬り払ったのであった。眼にも止まらない捷業に、こっちは少しく不意を撃たれたが、もう一人の手先は猶予なしに飛び込んで、刃物を持ったその手を抱え込もうとすると、これも忽ち振り飛ばされた。そうして左の眉の上を斜めに突き破られた。
一人は倒れる。ひとりは流れる血潮が眼にしみて働けない。今度は自分が手をくだす番になって、藤四郎はふところの十手の服紗を払った。御用と叫んで打ち込んで来る十手の下をくぐって、松蔵は店を駈け出した。片足は草履、片足は草鞋で、かれは品川の宿をさして逃げてゆくのを、藤四郎はつづいて追った。