Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
それが此の頃の例になっているので、万歳はその都度に才蔵を選ぶ必要はなかった。
遠国同士の約束は甚だ不安のようではあるが、義理の固い才蔵は万一自分に病気その他の差し支えがある場合には、差紙を持たせて必ず代人を上せることになっているので、大抵は間違いも無しに済んでいた。その才蔵が約束通りにたずねて来ない、又その代人もよこさないとあっては、万歳の市丸太夫が当惑するのも無理はなかった。いくら立派な出入り屋敷をたくさん持っていても、才蔵を連れない万歳は武家屋敷の門松をくぐる訳にはゆかなかった。
「その才蔵はなんという名で、どこの奴だ」と、半七は訊いた。
「下総の古河の奴で、松若というんだそうです」
「松若……。洒落た名だな」と、亀吉は笑った。「すると、親分。その松若が詮議者ですね」
「で、その市丸太夫というのには逢わねえんだな」と、半七は念を押した。
「逢いません」と、善八は答えた。「なんでも五十二三の大柄の男で、酒を飲むとむやみに陽気に騒ぎ散らすと宿の女中が話していました。ふだんはまじめな面をしているが、なかなか道楽者らしい男で、酔うと三味線なんぞをぽつんぽつん弾るということです」