Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
「そうか。それじゃもう一度その三河屋へ行って、市丸太夫の帰るのを待っていて、その才蔵というのはどんな奴か、又その鬼っ児に何か心あたりはねえか、よく調べてくれ」
善八を出してやって、ふたりは下谷の稲荷町へ足を向けた。朝からの空っ風が白い砂けむりを吹き巻いている広徳寺前をうろついて、ようように香具師の富蔵の家を探しあてた。鉤の手に曲がっている路地の奥で、隣りの空地には、稲荷の社が祀られていた。近所で訊いてみようと四辺を見まわすと、三十格好の女房が真っ赤な手をしながら井戸端で大束の冬菜を洗っていて、そのそばに七つ八つの男の児が立っていた。
「もし、おかみさんえ」と、半七は近寄って馴れなれしく声をかけた。「あすこの富蔵さんはお留守ですかえ」
「富さんはいませんよ」と、女房は素気なく答えた。「きょうは薬研堀の方へでも行ったかも知れません」
富蔵は独身者で、香具師とはいうものの自分が興行をしているのではない。どこかの観世物小屋に雇われて木戸番を勤めているらしいことは、亀吉の報告でわかっていた。半七は小声でまた訊いた。
「あの富さんの家に猫が飼ってありましたか」
「猫ですか。