Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
手紙をとどけてくれました。それは確かにお通の直筆で、目見得が済んで住みつく事になったから安心してくれ。奉公先はある大家の寮で、広い家に五十ぐらいの寮番の老爺とその内儀さんがいるぎりで、少し寂しいとは思うけれども、田舎にくらべれば何でもない。御主人が月に一度ぐらいずつ見廻ってくるから、その時に給仕でもすればいいということで、勤めもたいへんに楽だから自分も喜んでいるというようなことが書いてあったようでございます。お徳もまあそれで安心して、むこうの云う通り、三年以上長年するという証文を入れて帰って来ました」
「その時、妹には逢わなかったんですね」
「はい。本人に逢いませんけれども、たしかに本人の直筆に相違ございませんから、姉も安心して帰ったのでございます。それは正月の末のことで、それから小半年は別になんの沙汰もございませんでしたが、おととい見馴れない男がお徳をたずねてまいりまして、向島から来たと云って妹の手紙を渡して行きましたので、すぐに封を切って見ますと、あすこの家にはどうしても辛抱していられない、辛抱していたら命にかかわるかも知れない、詳しいことはとても手紙には書けないから是非一度逢いに来てくれというようなことが書いてございましたので、妹思いのお徳は半気違いのようになってすぐにも駈け出そうと致します。