Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
隣り同士でもあり、殊に庄太の商売を知っているので、お作親子はふだんから愛想よく彼に附き合って、いろいろの物をくれたりした。
お作が啖い殺されたのは、ゆうべの六ツ半(午後七時)を過ぎた頃であった。いつもの通りに奥山の店から帰って来て、かれは台所で行水を使っていた。母のお伊勢は小さい庭にむかった奥の縁側で蚊いぶしをしていると、台所で娘の声がきこえた。お作は何者かを咎めるような口ぶりで、「誰、そこから覗くのは誰」と云っているのが耳にはいったので、おそらく近所の若い者が戯ってでもいるのであろうと思いながら、お伊勢は蚊いぶしを煽いでいる団扇の手をやめて、台所の方を見かえると、うす暗いところに一人の女が立っている姿がぼんやりと浮かんで見えた。女は白地の手拭をかぶって、おなじ白地の浴衣を着ているらしかった。お作はまた咎めた。
「なにを覗いているのよ、おまえさんは……」
その声が終らないうちにお作はきゃっと叫んだ。おどろいてお伊勢は台所へ駈け付けてみると、赤裸の彼女は大きい盥からころげ出して倒れている。お伊勢は再び奥へ引っ返して、行燈を持ち出して来た。その灯に照らされた行水の湯は真っ紅に染まっていて、それが娘の喉からあふれ出る血であることを知った時に、お伊勢は腰をぬかすほどに驚いた。