Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
久次郎は行者に懸想してかれを涜そうとしたというのである。飽くまでも彼を信仰している母のお豊は唯ひたすらに驚き怖れて、みごとに計画に乗せられたので、式部は思うがままに二百両の金をつかんで帰った。久次郎が母に責められて、その無実を明らかに証明し得なかったのも、やはりその内心に疚しいところがあったからであった。式部におびやかされ、母に責められても、美しい行者にまつわり付いている彼の魂は、ほかに落ち着くところを見いだし得なかった。かれは今日の掛け合いの事情を問いただすために、日が暮れてからそっと祈祷所へたずねてゆくと、式部はさえぎって内へ入れなかった。行者との面会は勿論ゆるされなかった。心の汚れているお前のような者に祈祷は無用であると、式部は行者の口上を取り次ぐようにして断わった。久次郎は行者の前で一度懺悔したいと云ったが、それも許されなかった。式部は何事も行者様のお指図であると云って、かれを表へ突き出してしまった。突き出された久次郎はそれから家へも帰らないで、どこをどうさまよい歩いていたのか判らない。かれは水死の浅ましい亡骸を品川の海に浮かべたのであった。