Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
小女が出てみると、もう五十近い女が小腰をかがめて会釈した。
「あの、お師匠さんはお家でしょうか」
狭い家でその声はすぐにこっちへも聞えたので、文字春はあわてて帯をむすびながら出た。
「おまえさんがお師匠さんでございますか」と、女は改めて会釈した。「だしぬけにこんなことを願いに出ますのも何でございますが、お師匠さんはあの津の国屋さんとお心安くしておいでなさるそうでございますね」
「はあ、津の国屋さんとは御懇意にしています」
「うけたまわりますと、あの店では女中さんが無くって困っているとか申すことですが……。わたくしは青山に居ります者で、どこへか御奉公に出たいと存じて居りますところへ、そんなお噂をうかがいましたもんですから、わたくしのような者で宜しければ、その津の国屋さんで使って頂きたいと存じまして……。けれども、桂庵の手にかかるのは忌でございますし、津の国屋さんへだしぬけに出ますのも何だか変でございますから、まことに御無理を願って相済みませんが、どうかお師匠さんのお口添えを願いたいと存じまして……」
「ああ、そうですか」
文字春も少しかんがえた。だんだんに寒空にむかって、津の国屋で奉公人に困っているのは判り切っている。