Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
「わたしはお上の御用聞きで、この一件を調べに来たのだ。米屋の下総屋の亭主は金右衛門と従弟同士だというが、全くそうかね」
「いえ、亭主ではございません。女房が従妹同士なのでございます」と、三人のうちで年長の益蔵という男が答えた。
「米屋の茂兵衛はいつ頃から江戸へ出て来たのだね」
「十年ほど前に江戸へ出まして、最初は深川で米屋をして居りました。それから唯今の千駄ヶ谷へ引っ越したのでございます」
「茂兵衛の女房はおととしの暮れに死んだそうだが、名はなんと云うね」
「お稲と申しました」
「子供は無いのだね」
「無いように聞いております」
「金右衛門は八年ほど前に江戸へ出たことがあるそうだね」
「はい。茂兵衛がまだ深川にいる時でございまして」
「金右衛門は茂兵衛に金の貸しでもあるかえ」
「そんなことは一向に聞いて居りません」
半七は更に為吉兄妹について訊きただしたが、いずれも年の若い正直者であると云うだけで、別に注意をひくような聞き込みもなかった。金右衛門の娘おさんが来年は為吉の嫁になることを、益蔵も知っていた。
三
六道の辻で斬られた男の身もとは遂に判らなかった。誰もたずねて来る者もなかった。