Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
そのうちに、かの団子坂の騒動が起こって、そこへちょうどに馬丁の平吉が通り合わせました。見ると、空地には西洋馬三匹と日本馬二匹がつないである。どさくさまぎれにこれを盗んで行けば、殿様もよろこぶに相違ない。こう云うと、たいへん忠義者のようですが、実は殿様から御褒美をたんまり頂戴しようという慾心が先に立って、一匹の西洋馬をこっそりと牽き出しました。西洋馬にしましても、こっちは本職の馬丁ですから馬の扱い方には馴れているので、難なく牽いて出かけるところへ、お角が来かかったのです」
「異人の紙入れを掏ったのは、やっぱりお角でしたか」
「われわれの想像通り、蟹のお角でした。お角もあんな騒ぎになろうとは思わなかったんでしょうが、なにしろ、それが勿怪の仕合わせで、これもどさくさ騒ぎにまぎれて其の場を立ち去る途中、西洋馬を牽いて来る平吉に出逢ったのです。おや、平さん、その馬はとお角が声をかけると、平吉は眼で制して、おめえも一匹引っ張って来いと、冗談半分に云って行き過ぎると、お角もひどい奴、女のくせに平吉の真似をして、これも日本馬を一匹牽き出して行ったというわけです。誰が云い出したのか知りませんが、年増の女が馬を牽いて行ったという噂は、決して嘘ではなかったのです。