Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
案内を求めて、半七と善八が内へはいると、女房は湿れ手をふきながら出て来た。
「宇兵衛さんはお内でしょうか」と、半七は丁寧に挨拶した。「わたし達は江戸の者で、成田さまへ御参詣に行った帰りでございます。これはほんのお土産のおしるしで……」
善八に風呂敷をあけさせて、取り出した羊羹二本はきのうの貰い物であった。見識らぬ人のみやげ物を迂濶に受け取っていいか悪いかと、その判断に迷ったように、女房は手を出しかねて、二人の顔を眺めていた。
「宇兵衛さんはお内ですか」と、半七は重ねて訊いた。
「居りますよ」と、女房はやはり不安そうに答えた。
この時、裏の畑からでも引き抜いて来たらしい土大根二、三本をさげて、二十八九の男が井戸端に姿をあらわした。女房は駈け寄って何かささやくと、男も不安らしい眼を据えて半七らをじっと窺っていたが、やがて大根を井戸ばたに置いて、門口に出て来た。
「宇兵衛は私ですが、おまえさん方はお江戸から来なすったのかね」
「ええ、今もおかみさんに云った通り、成田さまへ御参詣に行った帰り道に、ちょいとおたずね申しました。以前番町のお屋敷に御奉公していたお辰さんに頼まれまして……」