Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
なにしろ場末の屋敷で、その横手は大きな竹藪になっているから、それを潜って逃げ去ったのではないかと云う。そのうちに使が帰って来て、板倉家ではそんな者を知らないという返事です。さては偽者かと云うことになったのですが、偽物ならば随分ずうずうしい奴、白昼人殺しをして置いて、かたき討ちだなぞといつわって、自分から辻番所へ届けて出るとは、あまりに人を喰った仕方です。
しかし、それが通りがかりの喧嘩でなく、いきなりに声をかけて斬り付けたのを見ると、斬った者と斬られた者と、両方が見識り合いであるに相違ない。検視の役人が出張って、斬られた若党をあらためると、年の頃は三十四五で、どこの屋敷の者か、別に手がかりになるような物もありません。ふところの紙入れには二両ばかりの金がはいっていました。その当時、二両という金はなかなか馬鹿になりません。軽輩の若党らにしては、懐中が重過ぎると思われたのですが、ほかに詮議の仕様もないので、先ずそのままに済みました。
この噂を聴いて、金右衛門の一行もおどろいて、成程お江戸は恐ろしい所だと舌を巻きました。いや、これだけで済めばよいのですが、まだ恐ろしいことが続々出来したのです。