Classici giapponesi con furigana
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じかん
時間
横光 利一
Leggi 時間 (じかん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.473 caratteri · 32 schermate
竹林ではもう十人ほどが三本の番傘の下に塊って皆の来るのを待っていたが、一同の荷物をまとめて金に換えに質屋へ行った肝心の木下という男がなかなか戻って来ない。それでは木下の奴も、ひょっとすると今頃は金を持って逃げてしまったのではないかと、誰も何んともいわないのにだんだん皆の顔にそんな風な不安が現れ出して、しばらく顔を見合したまま黙っていると、そこへ木下が十円握って帰って来た。とにかく御飯だけは腹へつめていかなければというので、最後に高木が来て十二人すっかり揃うと久し振りに皆で蕎麦屋へ出かけていこうとした。すると、松木がこんなに沢山揃っていっては見附かってしまうに決っているから一人ずつ行こうではないかといい出したので、それもそうだという事になって金を一人ずつ分けようとすると十円紙幣一枚よりない。それでは誰かこまかくして来たらと気づいてもまた町中まで一人いってはそのまま持ち逃げされそうな気がされて誰も一人に許そうとはしないのだ。これじゃ紙幣なんか有ったってなくったって同じことでどうしたら良かろうかとまた暫く黙ってしまうと、そのうちにこんなにいつまでも愚図ついていたんではもう宿屋の方でも気がついて追手を向けているかも分らないといい出すものもあり、追手が来ようとどうしようとこんなにお腹が空ちゃ動けやしないといい出す